法律相談の前に知っておきたいこと<その5:交通事故3>
相談:私は、自動車に衝突されて負った傷害により、
仕事をすることができなくなりました。
衝突した自動車が入っている任意保険会社に、私が仕事をすることが
できなくなった損害を請求したいと思いますが、
どのようにして証明すればよいでしょうか。
回答:交通事故により被った傷害により仕事ができなくなった損害としては、
休業損害と逸失利益の2種類があります。
休業損害とは、傷害が治ゆ又は症状固定に至るまでの間に、
仕事をすることができなかったことによる損害であり、
逸失利益とは、傷害が症状固定に至り後遺症が残った場合に、
事故前に得られていた収入が、その後遺症により、生涯にわたり
減少したことによる損害です。
ここでいう症状固定とは、それ以上傷害の治療を継続しても
医学的効果が期待できないことをいいます。
さて、休業損害の場合も、逸失利益の場合も、それを請求するためには、
事故前に得られていた収入を証明する必要があります。
給与所得者の場合は、「休業損害証明書」という書式に
勤務先の証明をもらい、事故前年の源泉徴収票を添付して証明する
という方法が一般的です。この「休業損害証明書」という書式は、
任意保険会社に請求すれば送ってもらえます。
また、「休業損害証明書」という書式は、賞与の減額に対応していないため、
事故による休業により賞与が減額された場合には、別途
「賞与減額証明書」という書式を任意保険会社に送ってもらい、
勤務先に証明してもらう必要があります。
なお、給与所得者の場合、事故による休業に年次有給休暇を利用した場合、
その日数も休業損害の対象となります。
また、事業所得者の場合は、税務署の受付印のある事故前年の
確定申告書の控によって証明するという方法が一般的です。