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弁護士の小窓

適格消費者団体(岩城)

■適格消費者団体とは

 私は消費者被害防止ネットワーク東海(略称:Cネット東海)の
 検討委員を拝命しています。
 Cネット東海は、消費生活に関する情報の収集及び提供、
 消費者の被害の防止及び救済などを目的とし、
 平成22年4月14日に消費者団体訴訟制度の適格消費者団体として
 消費者契約法13条の内閣総理大臣の認定を受けている
 特定非営利活動法人(NPO法人)です。
 以下では適格消費者団体がどのような活動を行っているのか
 紹介したいと思います。

 適格消費者団体は、
 消費者契約法、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)、
 特定商取引法に基づき、
 不当な契約・約款・広告等の使用の差止を裁判所に請求できる団体です。
 差止が認められた最近の例としては、
 サンクロレラ販売社の広告の使用差止
 (京都地裁平成27年1月21日判決)や
 日本セレモニーに対する解約払戻金控除条項の使用差止
 (福岡地裁平成26年11月19日判決・控訴)
 などがあります。

 Cネット東海では、専門学校である名古屋医専に対し、
 入学辞退者の辞退の時期にかかわらず、一律に納付済みの学費を
 返還しない不返還条項の使用の差止等を請求し、
 認容(高裁で和解)された例があります。
 逆に、差止が認められなかった例として、
 大手携帯電話会社3社の解約違約金条項の使用差止を
 求めた事例があります(最高裁平成26年12月11日決定)。

■不当な契約条項の差止とは

 不当な契約条項の使用の差止とは、どのような請求でしょうか。

 飲食店で食事をしたり、日用品を買ったりするなどの契約を除けば、
 ある契約を結ぶ際には、契約書が作成されることが多いと思います
 (後日の紛争を避けるために契約書は作成すべきだと思います)。
 顧客と事業者との間で契約をする場合には、その契約書は、
 通常、事業者が作成したものを使う場合が多いでしょう。

 顧客は、その契約については初めて(またはあまり経験がない)の
 場合が多いと思われますが、
 事業者はその契約を常時締結していますから、
 契約の内容やその契約に関して生じる紛争をよく知っています。
 したがって、事業者は、自己に有利なように契約書の内容を
 決めていることがあります。
 それ自体は特に問題ありませんが、それが消費者契約法に定める
 条項に抵触する場合には、その条項が無効となります
(消費者契約法8〜10条)。

                         (2015.3.20)

■不当な契約条項の差止とは 2

 不当な契約条項とはどのような条項のことでしょうか。

 例えば、中途解約金の不返還に関する条項があります。
 「受講生の都合による受講契約の解除は、
  本人死亡、重大な疾病及びクーリングオフを除いては認められず、
  受講料の返金等は一切応じられません」
 「納入金及び提出の書類は、
  理由の如何にかかわらず返還いたしません」
 「事情の如何にかかわらず、一旦納入された学費は返却いたしません」
 「ご契約後のキャンセル、返金、交換は一切できません」
 などです。

 これらは消費者契約法9条1号や10条に反するおそれがあります。

 消費者契約法に照らして無効な契約条項を使用していたとしても、
 適格消費者団体は、すぐにその条項の差止を求めて
 提訴できるわけではありません。
 まずは、その不当な契約条項を使用している業者に対し、
 団体から「申入書」を送付します。

 申入書には、契約条項のどの条項が消費者契約法のどの条文に
 いかなる理由で反しているのかを明記します。
 それでも申入先の業者が自主的に契約条項を改訂しない場合
 にのみ、提訴することができます。

 当然のことながら、
 申入先の業者に自主的に契約条項を改めてもらうことこそが、
 今後の消費者保護につながりますし、その業者にとっても、
 当該業者の実態に合わせて契約条項の改訂を行うことができるため、
 訴訟外で契約条項を改めてもらうことが、
 双方にとって望ましい解決になります。

                         (2015.5.14)

■不当な表示の差止め

 適格消費者団体は、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)に
 基づき、不当な表示(広告)について、その表示をしている業者に
 広告をやめる(改める)よう請求することができます。
 不当な表示とはどのような表示でしょうか。

 景品表示法では、不当な表示を大きく3つの類型に
 分けて規定しています。
 そのうち、よく見られるのは、
 (1)優良誤認の表示と、(2)有利誤認の表示 です。

 優良誤認とは、商品やサービスの品質や内容について、
 1)実際のものよりも著しく優良であると示すもの、
 又は、
 2)他の事業者の商品やサービスよりも自社のものが著しく優良であると示すもの
 で、不当に顧客を誘因し、消費者による自主的・合理的な
 選択を阻害するおそれのあるものを言います。
 例えば、中古自動車を販売するにあたり、
 走行距離を3万キロと表示していたが、実は10万キロ走行していて、
 メーターを3万キロに巻き戻して販売していたような場合や、
 天然ダイヤモンドと表示して販売していたが、
 使われているのは全て人造ダイヤモンドであった場合など
 がこれにあたります。

 有利誤認とは、商品やサービスの価格その他の取引条件について、
 1)実際のものよりも著しく取引の相手方に有利であると誤認させるもの、
 又は、
 2)他の事業者の商品やサービスよりも著しく有利であると誤認させるもの
 で、不当に顧客を誘因し、消費者による自主的・合理的な
 選択を阻害するおそれのあるものを言います。
 具体的には、基本価格を記載せずに、「今なら半額」と表示したが、
 実は半額とは認められない価格で販売していたような場合です。
 いわゆる二重価格表示はこれに当たります。

 事業者は、消費者に対し、少しでも自社の商品やサービスに
 興味を持ってもらおうとするため、
 様々な広告手法を取っているように思われます。
 したがって、有利誤認に当たるかどうかは、
 当該表示をすることによって、不当に顧客を誘因しているかどうかを
 個別具体的に検討することとなります。

                         (2015.7.17)

■消費者裁判手続特例法1

 適格消費者団体は、消費者契約法や特定商取引法に基づき、
 事業者に対し、差止訴訟を提起することができます。
 しかし、あくまで不当な契約条項や不当な表示の使用を
 差し止めることができるのみです。

 例えば、不当な契約条項がある契約で、
 被害を受けた消費者がいたとしても、適格消費者団体は、
 その消費者の損害を回復させるための訴訟を提起することはできません。
 被害の回復のためには、消費者は、別途、
 民事訴訟、民事調停、ADRなどを利用しなくてはなりませんでした。

 この被害回復の1つのツールとして、平成26年12月に
 「消費者の財産的被害の集団的な回復のための
  民事の裁判手続きの特例に関する法律」(消費者裁判手続特例法)
 が成立しました。
 消費者裁判手続特例法は平成28年12月までに
 施行されることとなっています。

                         (2015.9.17)

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