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弁護士の小窓

法律相談の前に知っておきたいこと(森亮爾)

<その9:医療過誤>

相談:私は、A病院で診療を受けていたのですが、
   ある診療行為が原因で身体に障害が残ってしまいました。
   病院に対し損害賠償請求をしたいと考えていますが、
   今後、どのように進めていったらよいでしょうか。

回答:医療過誤事件は、事件を進めていくにあたって、医学という
   専門的知見を要する事件ですので、その他の事件にもまして
   弁護士に委任することなく事件を進めていくことは困難であり、
   また、法律相談という当初の段階から、事件の見通しを
   立てることも困難です。

   そこで、弁護士は、
   まず、相手方に対し損害賠償請求を行うことではなく、
   事件の見通しを立てるための調査の委任を受けることになります。
   調査の委任を受けた弁護士は、可能であれば、医療機関が
   保管している医療記録(カルテ、看護記録、検査画像等)の
   証拠保全を行います。
   証拠保全を行うことなく、医療記録の写しの交付を
   医療機関に求めると、残念ながら、自己の責任を免れるため
   医療記録の内容を改ざんしてしまう医療機関が存在することから、
   証拠保全という方法を採るのです。
   ただし、証拠保全を行うためには、医師が説明を拒んだとか、
   前後矛盾する説明を行った等証拠保全を行わなければ
   医療記録が改ざん、廃棄されてしまうおそれがあることを
   基礎づける事実の存在が必要です。

   実際の証拠保全手続をわかりやすく紹介すると、例えば、
   証拠保全の期日の正午に
   裁判所の執行官が証拠保全を行う旨の決定書を医療機関に届け、
   その日の午後2時に
   裁判官と弁護士が医療機関に赴き、医療記録のコピーを入手します。
   決定書を届けた2時間後にコピーを入手し始めるのですから、
   時間的に改ざんを行う余裕がないわけです。

   弁護士は、裁判所の記録となった医療記録をさらに謄写し、
   それを時間をかけて検討します。
   また、医学部図書館等で関係する医学文献を入手・検討します。
   そのうえで、患者側に立ってアドバイスをしてくれる
   協力医に医療記録を見てもらい、
   医師に過失があるか、現在の望ましくない結果が医師の過失行為に
   よるものかについてアドバイスを受け、
   弁護士の法律学的知見も交えて、事件の見通しを立てるのです。

   最後に、弁護士は、事件の見通しについて調査した結果を、
   調査を委任した依頼者の方に説明し、
   損害賠償請求を行うべきと考えられる場合には、その時点で、
   あらためて損害賠償請求事件の委任を受けることになるのです。

                         (2015.8.24)
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<その8:遺言>

相談:私は、不動産、預貯金、株式・国債・投資信託などの資産を持っていますが、
   将来私が亡くなったときのために、遺言書を作っておこうと考えています。
   遺言書の種類として、自筆証書遺言と公正証書遺言などがあると
   聞いたことがありますが、どちらの方法がお勧めでしょうか。

回答:それまでは仲の良かった家族が、
   そのうちのどなたかが資産を残して亡くなった後、
   その分け方をめぐって仲が悪くなってしまうということは、
   残念ながら、世間において、ときどき見られることです。

   いつまでも健康で生きていられることに越したことはありませんが、
   人は限りある存在であり、上記のようなことが起こらないよう、
   また、そのようなことが起こらないとしても、残された家族が
   遺産の分け方を話し合わなければならないということ自体負担と
   考えられますので、遺言書を作っておくことは、
   賢い選択であると考えます。

   遺言書の種類としては、自筆証書遺言や公正証書遺言などがありますが、
   私(=弁護士森亮爾)は、公証人の手数料がかかったとしても、
   絶対に公正証書遺言の方をお勧めします。

   自筆証書遺言は、
   遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、
   これに印を押さなければならないとされており(民法968条1項)、
   パソコン入力後プリンターで印刷した遺言書は、無効となります。
   また、「平成27年1月」とだけ記載された遺言書も、
   日付の記載が不完全であり、無効となってしまいます
   (最高裁判所昭和52年11月29日判決)。

   また、自筆証書遺言における加除その他の変更は、
   遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して
   特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、
   その効力を生じないとされており(民法968条2項)、
   変更の方法も厳格に決められていて、
   それを間違えてしまう危険があります。

   さらに、自筆証書遺言の場合は、プロが作成に関与することが
   少ないため、遺言の内容がはっきりせず、遺言の解釈をめぐって
   争いとなることが少なくありません。

   その他、紛失や、相続開始後の利害関係人による隠匿など
   といった難点が指摘されています。

   これに対し、公正証書遺言は、
   公証役場で執務する公証人という公務員が作成する公文書であり、
   遺言が無効となってしまうことは、まずなく、
   原本は公証人が保管するため、紛失や隠匿の問題も生じません。

   ただし、公正証書遺言の場合、
   証人2人以上の立ち会いが必要であり(民法969条1号)、
   遺言をしたことを秘密にしたくても、証人には知られてしまいます。
   なお、
   (1)未成年者
   (2)推定相続人(仮に遺言時に相続が開始したとしたら第1順位で相続人となるもの)、
     受遺者(遺贈によって利益を受ける者)、
     これらの者の配偶者及び直系血族など
   は、証人になれません(民法974条)。

   当事務所では、遺言書の文案の作成、公証役場との連絡、
   証人としての公証役場への出頭も行っており、
   遺言をしたことの秘密が守られます。

                         (2014.12.5)
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<その7:交通事故5>

相談:私は、ある会社に勤める営業マンですが、
   先日、会社の自動車を運転してお客さんのところへ赴く途中、
   前方をよく見ていなかったことにより、赤信号で停止していた
   自動車に後ろから追突してしまいました。
   事故の相手方の損害については、会社が入っていた損害保険より
   支払われましたが、車両保険に入っていなかったことから、
   会社は、私が運転していた自動車の損害の全額を私に請求しています。
   支払わなければならないのでしょうか。

回答:このような問題は、交通事故に限ったことではなく、
   企業の従業員が、その過失により企業に損害を与えた場合一般に
   あてはまることであることを知っておくことが重要です。

   それは、どのようなことでしょうか。

   最高裁判所昭和51年7月8日判決は、次のとおり述べています。

   「使用者が、その事業の執行につきなされた被用者の加害行為により、
    直接損害を被り又は使用者としての損害賠償責任を負担したことに
    基づき損害を被った場合には、使用者は、
    その事業の性格、規模、施設の状況、被用者の業務の内容、
    労働条件、勤務態度、加害行為の態様、加害行為の予防
    若しくは損失の分散についての使用者の配慮の程度その他諸般の
    事情に照らし、損害の公平な分担という見地から
    信義則上相当と認められる限度において、被用者に対し
    右損害の賠償又は求償の請求をすることができるものと
    解すべきである。」

   企業は、従業員を損害の発生する危険のある業務に従事させ、
   得られる利益を拡大しているのですから、
   従業員の過失によって企業に損害が発生した場合には、
   その損害の一定部分は企業が負担すべきです。

   また、どれだけの部分を企業が負担し従業員が負担するかは、
   諸事情を考慮し、どのように負担させることが公平か、
   によるべきでしょう。

   ご相談の事例は、通常の業務における前方不注視という
   軽過失によるもので、会社は車両保険に加入して危険を
   分散していなかったというのですから、
   他の事情にもよりますが、会社は損害の大部分を負担すべきでしょう。

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<その6:交通事故4>

相談:私は、これまで、自動車に衝突されたことによる傷害の治療を
   受けてきましたが、医師から「そろそろ症状固定です。」と
   言われています。
   衝突した自動車が入っている任意保険会社からは、
   「後遺障害の認定を受けるのであれば、後遺障害診断書の書式を送るので、
   医師に作成してもらい、こちらに送って欲しい。」と
   言われています。
   後遺障害の認定とは、どのようなことでしょうか。
   また、認定に納得できない場合は、どうすればよいのでしょうか。

回答:それ以上傷害の治療を継続しても、医学的効果が期待できない場合、
   このことを「症状固定」といい、また、
   症状が固定したときに残った障害のことを「後遺症」または
   「後遺障害」といいます。

   後遺障害による損害とは、症状固定までの損害である治療費、
   休業損害、入通院慰謝料(傷害慰謝料)等とは別の損害で、
   逸失利益、後遺障害慰謝料等として算定されます。

   後遺障害の等級及び種類は、政令である自動車損害賠償保障法施行令
   (以下、「施行令」といいます。)に、
   障害の程度が最も重い1級から14級まで定められています。

   例えば、
   1 施行令別表第1の第1級第1号は、
    「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、
    常に介護を要するもの」であり、
    労働能力喪失率は100%、
   
   2 施行令別表第2の第10級第11号は、
    「1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの」
    であり、労働能力喪失率は27%、

   といったようにです。

   後遺障害の等級の認定は、保険会社を通じて提出された後遺障害診断書、
   その他、追加で提出を求められることのあるレントゲン写真、
   MRI写真等の検査写真に基づき、損害保険料率算出団体に関する
   法律に基づく法人である損害保険料率算出機構で行われます。

   その後、等級認定の結果及びその理由は、
   保険会社によって、被害者に通知されます。

   等級認定に不服がある場合は、保険会社に対し異議申立を行って、
   損害保険料率算出機構内にある自賠責保険審査会で再審査してもらうか、
   民事訴訟を裁判所に提起する方法しかありません。

   このうち、自賠責保険審査会は、
   審査の公平性・客観性を確保するため、
   日本弁護士連合会が推薦する弁護士、専門医、交通法学者、
   学識経験者等の外部の専門家が参加しています。

   また、民事訴訟を裁判所に提起する方法では、主治医の意見書や
   裁判所の選任する鑑定人(医師)の鑑定書等を証拠として、
   損害保険料率算出機構が認定した等級よりも上位の等級の
   後遺障害を認定した判決の言い渡しを受け、それが確定
   (控訴等の上訴期間が経過したりすること。)する必要があります。

   後遺障害の等級は、後遺障害による損害である逸失利益や
   後遺障害慰謝料の金額にストレートに影響し、
   影響する金額も大きいことから、
   等級認定に不服がある場合には、弁護士に依頼することをお勧めします。

   また、弁護士でも、法律と医学が相克する賠償医学が関係することから、
   賠償医学に詳しい弁護士に依頼するとよいでしょう。

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<その5:交通事故3>

相談:私は、自動車に衝突されて負った傷害により、
   仕事をすることができなくなりました。
   衝突した自動車が入っている任意保険会社に、私が仕事をすることが
   できなくなった損害を請求したいと思いますが、
   どのようにして証明すればよいでしょうか。

回答:交通事故により被った傷害により仕事ができなくなった損害としては、
   休業損害と逸失利益の2種類があります。
   休業損害とは、傷害が治ゆ又は症状固定に至るまでの間に、
   仕事をすることができなかったことによる損害であり、
   逸失利益とは、傷害が症状固定に至り後遺症が残った場合に、
   事故前に得られていた収入が、その後遺症により、生涯にわたり
   減少したことによる損害です。
   ここでいう症状固定とは、それ以上傷害の治療を継続しても
   医学的効果が期待できないことをいいます。

   
   さて、休業損害の場合も、逸失利益の場合も、それを請求するためには、
   事故前に得られていた収入を証明する必要があります。

   給与所得者の場合は、「休業損害証明書」という書式に
   勤務先の証明をもらい、事故前年の源泉徴収票を添付して証明する
   という方法が一般的です。この「休業損害証明書」という書式は、
   任意保険会社に請求すれば送ってもらえます。

   また、「休業損害証明書」という書式は、賞与の減額に対応していないため、
   事故による休業により賞与が減額された場合には、別途
   「賞与減額証明書」という書式を任意保険会社に送ってもらい、
   勤務先に証明してもらう必要があります。

   
   なお、給与所得者の場合、事故による休業に年次有給休暇を利用した場合、
   その日数も休業損害の対象となります。

   
   また、事業所得者の場合は、税務署の受付印のある事故前年の
   確定申告書の控によって証明するという方法が一般的です。

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<その4:交通事故2>

相談:<その3:交通事故>では、被害者に過失がないケースについてのお話でした。
   それでは、被害者に過失があるケース(過失相殺がなされるケース)では、
   加害者が入っている任意保険の保険会社との間で、治療費の支払を
   めぐって発生する可能性のある問題は、どのようなものでしょうか。
   被害者に過失がないケースの場合と、どのような違いがありますか。

回答:加害者に過失があるのであれば、被害者に過失があったとしても、
   (1) 保険会社が、直接、医療機関に治療費を支払うこと、
   (2) 保険会社が治療費を支払うにあたって、あなたに対し、
    あなたの傷病についての情報を直接医療機関から入手することに
    ついての同意書に、署名押印を求めてくること、
   (3) 同意書への署名押印は原則として応じた方がよいこと、
   (4) あなたと保険会社とで症状固定時期について意見の食い違いが生じ、
    保険会社が治療費の支払を打ち切ってきた場合、
    あなたは自ら治療費を支払って治療を継続したうえで、
    後に裁判で症状固定時期があなたの考えるときまでであることを
    証明する必要があること、
    は、被害者に過失がないケースの場合と同じです。

   被害者に過失がないケースの場合と違いがあるのは、
   保険会社は、事故直後の治療費の支払いの開始から、あなたに対し、
   健康保険による治療を求めてくることです。
   
   同じ治療内容でも健康保険診療の方が自由診療よりも安価であること
   (多くの場合、健康保険診療は自由診療の5割安)、
   健康保険診療の場合、自己負担分以外は健康保険組合が負担して
   くれることは、<その3:交通事故>でお話ししました。

   被害者に過失がある場合、自由診療で治療を継続したとしたら、
   保険会社が、直接、医療機関に治療費の全額を支払ったとしたら、
   どのようなことになるでしょう。

   保険会社は、最後の示談交渉の際に、支払った治療費のうち被害者の
   過失割合分は、最終的には被害者が負担すべきものとして、
   慰謝料等治療費以外の損害から計算上控除して支払額を提示してくるでしょう。
   
   同じ治療内容で、自由診療の治療費が200万円
   (健康保険診療の治療費が100万円、また、健康保険の自己負担割合が3割)、
   その他の損害(慰謝料等)が200万円、
   被害者の過失割合が30%として、
   比較してみましょう。

   (1) 自由診療で治療した場合
      治療費 200万円
      その他の損害 200万円
      総損害額 400万円(200万円+200万円)
      過失相殺 ▲30%
      過失相殺後 280万円(400万円×(1−30%))
      既払い額(治療費) ▲200万円
      支払額 80万円(280万円−200万円)
 
   (2) 健康保険診療で治療した場合
      治療費 30万円(100万円×自己負担割合3割)
      その他の損害 200万円
      総損害額 230万円(30万円+200万円)
      過失相殺 ▲30%
      過失相殺後 161万円(230万円×(1−30%))
      既払い額(治療費) ▲30万円
      支払額 131万円(161万円−30万円)

   保険会社の求めに応じて、治療開始から健康保険診療とした方が、
   被害者にとって経済的に有利であることは明らかです。

   交通事故の場合でも、健康保険組合に「第三者による傷病届」を提出して、
   健康保険を使用して治療を受けることができることは、
   <その3:交通事故>でお話ししたとおりです。

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<その3:交通事故>

相談:先日、私は、歩行者用信号機の青色表示に従って横断歩道を歩行中、
   交差点を右折して横断歩道を通過しようとした
   自動車に衝突され、傷害を負いました。
   衝突した自動車は、ある保険会社の任意保険に入っています。
   治療費の請求については、どのような流れになりますか。
   また、治療費の支払をめぐって今後発生する可能性のある問題と
   しては、どのようなものがありますか。

回答:加害者が運転していた自動車が任意保険に入っている場合には、
   保険会社が、直接、病院等の医療機関に治療費を支払います。

   
   保険会社が治療費を支払うにあたって、保険会社は、あなたに対し、
   あなたの傷病についての情報を直接医療機関から入手することに
   ついての同意書に、あなたの署名押印を求めてくると思いますが、
   それは、保険会社が、かかった治療費が交通事故による傷病に対し
   必要かつ相当なものであるかをチェックするためのものですので、
   そこで保険会社とトラブルになるのは得策ではなく、
   スムーズに治療費を支払ってもらえるよう、
   同意書への署名押印は原則として応じた方がよいと思います。

   
   問題は、治療費が支払われるのは、症状固定時期、すなわち、
   それ以上治療を継続しても医学的効果が期待できない時期までで
   あることです。よくあるのは、あなたと保険会社とで症状固定時期に
   ついて意見の食い違いが生じ、保険会社が医療機関に対する
   治療費の支払を打ち切ってくることです。

   このような場合、あなたは、自ら治療費を支払って治療を継続
   したうえで、後に裁判で症状固定時期があなたの考えるときまでで
   あることを証明する必要があるでしょう。

   
   ここで大事なことは、自ら治療費を支払う場合、健康保険による
   治療に切り替えることです。
   保険会社が医療機関に治療費を支払う場合、自由診療と言って、
   健康保険による治療ではないことが通常です。
   自由診療と健康保険診療との大きな違いは、同じ治療内容でも
   健康保険診療の方が自由診療よりも安価であることです
   (多くの場合、健康保険診療は自由診療の5割安)。
   しかも、健康保険診療の場合、自己負担分以外は健康保険組合が
   負担してくれます(健康保険診療が自由診療の5割安で、
   健康保険診療の自己負担割合が3割の場合、
   「健康保険診療の自己負担分=自由診療の場合の治療費×50%×30%」
   という算式が成り立ちます。)。
   健康保険診療に切り替えなければ、もし、あなたが、自分の考える
   症状固定時期の証明に成功しなかった場合、あなたに、
   健康保険診療に切り替えたときよりも経済的損失を生じることになります。
   医療機関の中には、「交通事故の場合には、健康保険が使えない。」という
   説明を行うところが見受けられますが、それは誤りです。

  
   ただし、健康保険診療に切り替える場合、あなたは、
   健康保険組合に「第三者による傷病届」という書類を提出
   しなければなりません。
   健康保険組合が、「第三者による傷病届」が提出されたことにより、
   加害者の存在を認識し、健康保険組合負担分を加害者に対し
   求償請求できるようにするためです。

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<その2:消滅時効>

相談:売買代金請求権、貸金返還請求権、損害賠償請求権等の権利を
   有している者は、債務者に対して請求書を何度も郵送し続けて
   いるだけで、権利が消滅時効にかからないために十分な措置を
   していることになるのでしょうか。

回答:ときどき、実際の法律相談で、請求書を毎月送っているから
   時効にかからないと勘違いされている相談者の方をお見受けします。
   しかし、実際には、請求書を毎月送っているだけだと
   時効にかかってしまいます。
   
   例えば、「生産者、卸売商人又は小売商人が売却した産物又は
   商品の代価に係る債権」は、時効期間が2年ですので(民法173条1号)、
   上記のような勘違いは、時として権利を失うことにつながりかねません。

   
   確かに、民法147条は、時効は請求によって中断すると定めていますが、
   他方で、同法153条は、
   「催告は、6箇月以内に、裁判上の請求、支払督促の申立て、和解の申立て、
   民事調停法若しくは家事事件手続法による調停の申立て、破産手続参加、
   再生手続参加、更生手続参加、差押え、仮差押え又は仮処分をしなければ、
   時効の中断の効力を生じない。」と定めており、
   同法147条で時効の中断が生じる「請求」とは、裁判所を通じた
   手続のものに限られるからです。
   

   事例を設定してお話します。

   平成25年7月31日の経過をもって時効期間が満了する権利があるとします。

   同日までに債務者に到達するよう配達証明付き内容証明郵便で請求します。
   時効期間内に催告したことを証拠化するためです。
   ただ、実際には、債務者が不在のときに時効中断の効力が発生するか、
   いつ発生するかの問題がありますので、このような手法をとるのは、
   時効期間満了前までに確実に到達する場合でなければなりません。
   そして、到達したとき(平成25年7月31日とは限りません。)
   から6か月以内に裁判所に訴状を提出するのです。

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<その1:成年後見の申立>

相談:事故による脳損傷、認知症、統合失調症等の傷病によって、
   自分の財産を管理する精神上の能力を失った場合、
   周囲の親族は、どのようにすればよいでしょうか。

回答:世間では、このような場合、
   周囲の親族が本人の財産を事実上管理している場合も見受けられますが、
   法律上は、正当な権限はないことになります。

   加害者がいる事故の場合の損害賠償請求では有効な示談をすることが
   できませんし、財産を管理していない他の親族から
   不信に思われたりすることもあるようです。
   このような問題が生じることを考えると、
   成年後見の申立を行うことが望ましいと考えられます。

   民法第7条は、
   「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、
   家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、・・・(省略)・・・により、
   後見開始の審判をすることができる。」と定めています。

   また、民法第843条第1項は、
   「家庭裁判所は、後見開始の審判をするときは、
   職権で、成年後見人を選任する。」と定めています。
   
   さらに、民法第859条第1項は、
   「後見人は、被後見人の財産を管理し、かつ、
   その財産に関する法律行為について被後見人を代表する。」と定めています。

   事実上財産を管理していた親族がそのまま
   成年後見人に選任されることもありますが、
   親族間で本人の財産の管理をめぐって対立がある場合には、
   家庭裁判所が、中立の第三者である弁護士等の専門家を
   成年後見人に選任する場合もあります。

   当事務所では、
   このような成年後見の申立書類の作成等のお手伝いをさせていただきます。
   お気軽にご相談ください。

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